
決済サービス大手の米・ペイパルホールディングスがリブラから撤退したことを、先週10月7日~週刊ニュースでお伝えしました。その後早くもリブラにさらなる動きがありましたので、今週はその続報をお伝えします。
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リブラ協会は14日、スイス・ジュネーブで設立総会を開き、創立メンバーとして21の企業・団体が参画することに署名しました。
当初リブラ協会の創立メンバーには28の企業・団体が参画していましたが、4日にペイパルが撤退したのに続き、11日には米・クレジットカード大手のビザ、マスターカード、米・決済支援大手ストライプ、米・ネット通販大手のイーベイ、南米の決済大手メルカドパゴも相次いで不参加を表明しました。
さらに14日には「Booking.com」、「OpenTable」、「Kayak」などを運営する米インターネット企業のブッキング・ホールディンスも不参加を表明したのです。

11日、リブラの責任者を務めるデビッド・マーカス氏はtwitter上で、撤退したビザとマスターカードへのこれまでの感謝の意を述べました。
リブラは決済での利用に大きな期待が寄せられていましたが、これで主要なオンライン決済企業は撤退という形になってしまいました。決済関連企業として唯一残っているのはオランダの電子決済サービス・ペイユーですが、ペイユーはアメリカでは事業を展開していません。
現在創立メンバーとして残っている主要な企業は、米・ライドシェア大手のウーバー及びリフト、スウェーデンの音楽ストリーミングサービス大手のスポティファイなどです。総会では今後の協会の運営方針に関しての話し合いに加え、取締役として5名が選出されました。
取締役として選出されたのは、デビッドマーカス氏に加え、ペイユー、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ、ブロックチェーン企業のザポ・ホールディングス、非営利団体キバ・マイクロファンズの各代表です。リブラは2020年前半の発行に向けて、協会への加盟企業・団体を100まで増やすことを目指していますが、その道のりは険しいものとなりそうです。
リブラ協会のポリシーコミュニケーション担当責任者であるダンテ・ディスパルテ氏はすでに、2020年6月予定のサービス開始が遅れる可能性があるとコメントしています。
今後のリブラを取り巻く予定としては、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、今月23日の下院金融サービス委員会でリブラに関する証言を予定しています。
リブラが不正送金の温床になることなどを懸念して、各国の金融当局からのリブラに対する圧力は強まっています。主要企業のリブラからの相次ぐ撤退は、当局の厳しい姿勢を裏付けるものと考えられ、今後もFacebookへ厳しい追及が行われることが予想されます。
引き続きリブラの動向からは目が離せません。
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